選択

約一ヶ月読んできた本。
中村融山岸真編「20世紀SF②」(河出文庫
特に気に入った作品はリチャード・マシスン「終わりの日」だ。SFといえば、こんな作品を指すんじゃないかと思う。街中で暴れているのが少年ばっかりというのは時代のせいなのだろうか。
エリック・フランク・ラッセル「証言」はエイリアンを犯罪を犯した少年に変えたら現代でも違和感なく読めるんじゃないかと思った。
中村融山岸真編「20世紀SF⑤」(河出文庫
イアン・ワトスン「世界の広さ」を気に入る。なんとなく英国のイメージがあるんだが気のせいか。④に収録されているプリーストと雰囲気がどこか似ている。
グレッグ・イーガン「宇宙消失」(創元SF文庫)
イーガンは長編は初めて。まず未来描写に驚かされる。他の作家が短期間の滞在で未来を見てきているのだとしたら、イーガンは未来に何年も住み、日常の生活として直接体験しているかのようだ。また、執拗な自己への問いかけが読んでいて印象に残る。もちろんそれは読者への問いかけでもあるのだろうが、あまりにも徹底的に問いかける。自分は何をしているのか、自分は何を目的としているのか等々。執拗過ぎて困惑する部分はあるけれども、実際に自分がその状況に追いこまれてみたらと考えると決して無視できない問題なのだ。

人間は選択をする―それによって、自分がそうなっていたかもしれないだれかを"殺す"。

この1文がとても印象に残る。