2005-01-01から1年間の記事一覧

SFマガジンのオールタイムベストに投票してみました。こんな感じになりました。 [海外長編] 一位 ダン・シモンズ 『ハイぺリオン』 二位 グレッグ・イーガン 『万物理論』 三位 バリントン・J・ベイリー 『カエアンの聖衣』 四位 イアン・マクドナルド 『…

実家に帰って見てみるとうまく表示されていなかったのでデザインもう一回変えてみました。 ただいま、SFオールタイムベスト投票に合わせて過去の名作を読み進め中。というわけで普段は使わない図書館を利用中。『ヴァーミリオンサンズ』『プリズマティカ』…

タイトル、デザイン変えてみました。週に2回は更新したいものです。

P・J・ファーマー 他 伊藤典夫/朝倉久志 編 『タイム・トラベラー』 新潮文庫

新潮文庫で刊行されていたSFアンソロジーの第三弾。『タイムトラベラー』は時間コレクションと銘うたれているが、前二つは宇宙SFコレクションみたいだ。こっちも手に入れたら読んでみたい。 解説の中で、時間は川であるという主張がなされている。その川の処…

ダン・シモンズ 嶋田洋一訳 『愛死』 角川文庫

ハイぺリオン四部作で有名なダン・シモンズの中編集。 この本、おやっと思うことに著者自らあとがきで作品について述べている。解説者や訳者が行うのは翻訳書では普通のことだけれど、珍しいなあと思う。おかげで感想が書きにくいが、何か新味をみつけていこ…

J・ダン&G・ドゾワ/編 深町眞理子ほか/訳 『魔法の猫』 扶桑社ミステリー文庫

タイトルどおり、猫が活躍する小説ばかりを集めたアンソロジーである。活躍するといっても脇役で、単に作品に彩りを添えるために猫が出てくるのではなく、猫がプロット上必要不可欠な作品に限られている。活躍するといっても、ほほえましいものではなく、元…

京フェス行ってきました。

かなり遅れてしまいましたが、みなさんお疲れさまでした。 本大会で一番楽しかったのはSFファンのための世界文学百科でしたね。おみやげとしてもらったレジュメを片手に大学の図書館を徘徊してみたら、けっこうな数が所蔵されているみたいなんで読んでいこう…

やってみた。+++ 第1回 エンタ!検定 成績発表 +++ あなたの総合得点は73点 全国平均 60点 全国順位(10月7日 8時現在) 3723位(39204人中) −−ジャンル別得点表 −−−−−−−−−−−−−−− 0_________10__________20点 映画 ■■■■■■■■■■■■…

京フェス行きます。

タイトルどおりです。年齢オッケーなので若者の部屋とか行ってみるつもりです。

バリントン・ベイリー 大森望訳 『時間衝突』 創元推理文庫

のっけから仕事で恐縮だが、僕は島根県松江市にある島根県松江市にある島根政治経済大学で、考古学を専攻している。そこで、有名な貝塚と名前が良く似ていてまぎらわしく、よくネタにされる貝塚で発掘を行っているのです。 で「時間衝突」である。のっけから…

グレッグ・イーガン 山岸真訳 『ディアスポラ』 ハヤカワ文庫SF

読了、と言っていいものやら。 何が起こったかはわかったけど、どうやっての部分がほぼ全滅。どうやっての部分が重要なんだろうけど、再読して何とかなるとも思えないし、うーん。 自分の感覚に無理やり近づけてとらえようともしてみた。5次元の世界とかど…

竹宮ゆゆこ 『わたしたちの田村くん2』 電撃文庫

というわけで2巻の感想、の前に1巻の感想。 1巻の時の田村君は良かったと思うんだよね。だって中3から高1の人間ですよ。何かありゃうじうじ悩む、それで別にいいじゃない。うまく立ち回る中学生だってそりゃいるだろうけれどそんな奴には僕は何の感情も…

竹宮ゆゆこ 『わたしたちの田村くん』 電撃文庫

ほとんど投票したいがために入手、購入。こうそっけないとおもしろくなかったみたいだけれど、おもしろかったです。相馬さんがよかったです。 というわけで僕は相馬派でした、透かし網のカーディガンにやられました。あの容姿、性格で透かし網のカーディガン…

コリイ・ドクトロワ 川副智子訳 『マジック・キングダムで落ちぶれて』 ハヤカワ文庫SF

ある人にとって深刻な悩みは、他の人から見ると滑稽に移るものだ。その悩みが間違っているとなおさらだ。主人公のジュールズが取る行動というのは滑稽だ。真剣に間違ったことをしているからなおさらな印象を受ける。でも不快感はなかったなあと思う。それよ…

新・SFハンドブックを買った。海外短編部門のオールタイムベストの二位はトム・ゴドウィンの「冷たい方程式」だった。ショックです。

デイヴィッド・イーリイ 白須清美訳 『ヨットクラブ』 晶文社

読んだりネットで検索などしたりして、乙一、イーリイ、スタージョンは似ているということに気付いた。三人異色作家でくくられているけれども、ここは独断と偏見で「何なんだこれは。」派とくくることに決めました。ちゃんちゃん。それでは各編の感想に移り…

ロバート・J・ソウヤー『さよならダイノサウルス』 ハヤカワ文庫SF

まずトロエドンくんがかわいかった。片方だけで行うまばたきであるとか、真夏のアスファルトにはだしで立っているように片方の足だけを地面に交互につけて立っているのなんてラブリーじゃないでしょうか。多分おめめもパッチリしているんだと思いますよ、黄…

早川書房のホームページで確認したが、グレッグ・イーガンの長編『ディアスポラ』が九月下旬に出版されるみたいですね(石野休日さん、ありがとうございます)。「万物理論」を読んだときは、少し性急すぎたなあと今では思います。あんまりなにも考えずに一気…

新城カズマ 『サマー/タイム/トラベラー2』 ハヤカワ文庫JA

1巻の時はあまり楽しさを感じなかった。理由は何の関係もないように挿入されるただの衒学趣味としか思えない話。例えば、地域通貨の話であるとか。突然触れられたかと思うと、何事も無かったようにその話題から過ぎ去っていった。タイムトラベル小説を巡る…

ボルヘスやらカルヴィーノやらエリヤーデやらを読んでみましたが、ただ読んだだけに終わったような気がします。やっぱり感想はかけません。というわけではないのですが、7月に呼んだ本の感想。

あー長い期間開けてしまったなあ。 そもそもの発端は『くらやみの速さはどれくらい』の感想で悩み過ぎたのが原因なんだけれど。無理して書いてみよう。主人公のルウより早く生まれたせいで現代の自閉症と同程度の症状のまま暮らさざるをえない人間がいる。名…

ショートケーキを5つ食べた。

しあわせくるしい。

ジョージ・R・R・マーティン 『タフの方舟1 禍つ星』 ハヤカワ文庫SF

まず雑感から。 帯に書いてあるほどタフはそんなにあこぎという印象は受けなかった。ただタフは自分のロジックに忠実に従っているだけなわけで。ただただルールに純粋に従うだけじゃないかな、そこに感情の入りこむ余地がないから、場合によってあこぎに見え…

飛浩隆 『象られた力』 ハヤカワ文庫JA

目で読むというより、体で読む本だなあと思った。 文章はとても蟲惑的でとてもひきつけられる。そうなるともちろん視覚に比重を置いてしまうのだが、この本を堪能するにはそれだけではもったいない。十分に楽しむためには、五感すべてを研ぎすませる事が不可…

久々の日記。 人間だらだらしてたらますますだらだらしてしまう、というハツカネズミ状態(もちろん輪は大きくなっていく)な毎日でした。 原因はロマンシングサガ・ミンストレルソングをやっていたから、少しものがなし。この間に読んだ本は『世界の果てま…

イアン・ワトスン 『スローバード』 ハヤカワSF文庫

というわけでイアン・ワトスンの傑作短編集、『スローバード』。 序文にこんなことを書いています。 「アイデアやイメージを、ばかばかしさの論理的な執着点まで徹底的につきつめている。」 これは「大西洋横断大遠泳」という作品について語っているのですが…

イアン・ワトスン 『存在の書』 創元SF文庫

うん、なんか第3部は『宇宙消失』を思い起こしますなあ。 しかしゴッドマインドもワームもなんだったかよくわからん。 多分とはというのはあるけど自信無い。 円環構造の神話創造の話だったのかな。僕は『川の書』のようなサイエンスファンタジーよりも、難…

イアン・ワトスン 『星の書』 創元SF文庫

というわけで、黒き流れ3部作の2作目、『星の書』。 1作目の「川の書」が文字通り東西を分断する川の流れる、どこともわからない星を舞台にしていたけれど、今作では魂綱を通じてエーデンなんて聞いたような聞いたような星(というか地域)を舞台に中盤以…

昨日テレビで放送していた「マトリックス」を見た。 やっぱりキアヌ・リーブスの「くいっ、くいっ」という手の動きが最高。

イアン・ワトスン 『川の書』 創元SF文庫

本を読むということの一番の醍醐味は、現実の世界を忘れさせてくれることだと思う。剣と魔法のファンタジー、手に汗握るサスペンス、共感や後悔の感情を呼び覚ます恋愛小説、などそれぞれの個人にぴったりの形式を持っているはずだ。僕にとってのその形式は…