2004-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ポール・オースター「シティー・オブ・グラス」角川文庫

僕は読み終わったときにこう叫んじゃいました。「わたしって誰だよ。」最後の3ページしか出てこない。でもそのあと叫んだことが恥ずかしくなりました。このわたしというのはもちろん作者のポール・オースターではない。この本を読んだ読者の事を指すんだと…

コニー・ウィリス「リメイク」ハヤカワ文庫SF

少し小難しくない奴をと選んだのがこの本。後ウィリスの本を読んでみたかったから。 予想されたとおり王道のラブストーリー。でも悪くない。一途に夢を追いかけ、実現してしまう。そこに至るまでにはもちろん多くの偶然、力(情報)を持った人間の助力はもち…

グレッグ・イーガン「万物理論」創元SF文庫

いつものごとく、きちんと理解しているのか怪しいのだが(むしろ理解していないとはっきり断言しても良いのだろうが)、それでも楽しく読めるものは読めるのだ。 とにかく色々なアイデアがぶちこめられている。題名にもなっている万物理論(略してTOE)は…

野尻抱介「べクフットの虜」ハヤカワ文庫JA

クレギオンシリーズの第7巻。もうすでにおなじみになったキャラクターの活躍を描いている(ドタバタコメディ?)。なじみになっているという点は僕にとっては魅力的だ。一からの人物描写はないので、すらすら読むことができた。もちろんなじみというのはマ…

選択

約一ヶ月読んできた本。 ・中村融、山岸真編「20世紀SF②」(河出文庫) 特に気に入った作品はリチャード・マシスン「終わりの日」だ。SFといえば、こんな作品を指すんじゃないかと思う。街中で暴れているのが少年ばっかりというのは時代のせいなのだろ…