ファイナルファンタジーⅥはやっぱり良い。

 僕はRPGを評価するのに3つの点からするようにしている。その3つは「物語」「音楽」「システム」である。「物語」、「音楽」はそのままの意味である。わざわざ説明する必要もないだろう。「システム」というのは戦闘のシステムであったり、レベル上げに代表されるような成長のシステムであったり色々のものが含まれる(ことにしている)。
 それでファイナルファンタジーⅥ(以下FFⅥ)である。この3点を詳しく検証して行きたい。まず「物語」。FFⅥは仲間になるキャラクターが多く、最高で14人(便宜上、人にしておきます)にもなる。これは他のRPGに比べても多い数字だろう。ドラクエⅤのモンスターなんかは除いた数字として考えています。普通はこれだけのキャラクターを登場させると個々のキャラクターのストーリーは深み、厚みといった物を失ってしまう。いちいち掘り下げて行くとデータ容量の制約もあるだろうし、なにより本筋が進んで行かなくなってしまう。それらの条件を克服するためにどうしたか?FFⅥはキャラクターを2回登場させたのだ。中には1回もいるがそれは置いておくことにします。ボーナスキャラクターのようなものだと思いますし。1回目の登場の時は基本的な部分しか紹介していない気がする。骨の部分ですね。ティナなんかは丁寧に語られているとは思うが、まあティナは一番仲間の中で異質な存在だから語る必要があったのだろう。代表的なのはエドガーとマッシュだと思う。最初の方はなぜ帝国と戦っているのかよく分からない。対照的にロックやカイエンはわかりやすい。しかし2回目の時はきちんと語られている。最初の登場の時に語られているとさらりと流してしまうかもしれない。けれど2回目の時には多分1年ぶりのマッシュとの再開であり、久しぶりのフィガロ城への帰還である。ふと昔を思い出しても不思議はないという気にさせてくれる。理由と言うのはさっきの二人と同じ理由(愛する人の喪失)ではあるが、この構成によってくっきりその人物が浮かび上がってきたのだとここに断言したい。他のキャラクターも同様である。リルムが死んだと思って狂信者の仲間入りをしてしまうストラゴスなんて変な言い方ではあるがいかにもありそうだと思う。もう1つ、エンディングが秀逸だったと明記しておきたい。この物語から脱け出したくない、と思ったのはこの作品以外すぐには思い起こす事が出来ない。
 「音楽」は結構軽視されがちだけれどRPGをRPGたらしめている重要な要素だと思う。あるのが当然というだけで置かれている音楽が他のゲームでは多いから、その重要性が見えにくいだけだ。音楽の無いRPGなんて考えられない、なのに軽視されるのは悲しいと思う。個人的な趣味が大きく影響するかもしれないが、僕はフィールドの音楽では仲間を求めて、戦闘の音楽では決戦が最高の音楽であると思う。まあ僕はサガフロンティアの曲のベストが生命科学研究所の音楽、ゼノギアスの曲はシェバトの音楽なんて言う奴だからあんまり説得力が無いんですけれども。
 「システム」はまず前作のそれを考えなければならない。Ⅴのジョブ、アビリティシステムはシステムとしては1つの頂点に到達しているものだと思うが、いかんせんキャラクターを無個性にしてしまった感が否めない。Ⅵはそうではなく固有のアビリティを持たせることにした、というかⅣに戻したという所か。この方法だと一つ一つのアビリティでキャラクターを語る事ができる。では新味が無いかと言うとそんな事は無い。ただボタンを押すだけでなくアクションの要素を入れたところだろう。ひっさつわざやスロットなどである。またキャラクターが多いのを利用しパーティーを分けて進んで行くダンジョンもある。戦闘システムは頂点ではないと思う。漫然とボタンを押している戦闘というのはやっぱり退屈してしまう。でもこれは伝統で良いと思う。ちなみに最高の戦闘システムはヴァルキリープロファイルだと思う、けどこれは別の話だ。

 やっぱりFFⅥは良い。