竹宮ゆゆこ 『わたしたちの田村くん2』 電撃文庫

というわけで2巻の感想、の前に1巻の感想。
1巻の時の田村君は良かったと思うんだよね。だって中3から高1の人間ですよ。何かありゃうじうじ悩む、それで別にいいじゃない。うまく立ち回る中学生だってそりゃいるだろうけれどそんな奴には僕は何の感情もわかないね。
松澤、相馬どっちがいいかというのは、話としてみれば松澤派だ。前者の話は女の子を好きになる話、後者は女の子に好かれる話だと思う。中3で彼女を作ろうという考えは結構間違っているような気がするけど、なにか人を寄せつけないパワーがあって微笑ましい。対する相馬パートは展開の唐突さに面食らう。うがってみれば少し優しくしてくれれば誰でもいいんかいと思ってしまう。そこが減点ポイント。
と書いてきたけど、ささいなことはどうでもいい気がする。ここで問題になるのはかわいく描けているか描けていないかだ。描けていた、それでいいし、それがすべて(のような気がする)。というわけで相馬派、問題なし。
という感想を持ちつつ2巻に臨んだわけだけど、悩むのはいいけど、成長しないのは嫌だなあとしか思えない。それがかなり足を引っ張ってほかの部分がどうでも良くなってきてしまった。悩みは焦らしでもあるんだろうけどなかなか厳しかったです。