[SFマガジン」 1963年8月臨時増刊号(46号)特集!SFセクソロジー

 SFセクソロジーとは、ユーモアと、エロチシズムの結びつき、らしい。まあとにかく個々の作品の感想を。
 「砂漠の女」 デーン・カーネル 田中小実昌
企画第1番目の作品なのに、なんて感想に困る作品だ。あまりに謎、というか都合が良い話だなあ、という以外に感想はない。
 「異次元の肌」 ロス・G・スミス 北山宏訳
びっくりするほどの願望充足ぶりだ。そして、ああ、電子計算機、おお、パンチカード
 「裸女が戦う」 リチャード・レン 矢野徹
ジムは税務監視官であり、ひよわなインテリという印象を持つが、最後に突然マッチョな人間になってセンス・オブ・ワンダー
 「夜の恐怖」 ロバート・シェクリイ 吉田誠一訳
うん、シェクリイらしくひねってくれて、まあ楽しかった。
 「悪魔の火」 ジョージ・トーマス 川村哲郎訳
ユーモアとエロチシズムはわかるけれど、出てくる女みんな尻が軽くて困ってしまう。探偵が行う妖術はばかばかしくて良い。
 「ルシア遊学」 グレン・ブラウン 好田欣一訳
すいません、もう何も書くことがないです。
 「ワープする欲情」 ジョー・フライデー 福島正実
他の作品よりできは良かったけれど、とりたてておもしろいという事はない。

 古いのはある程度覚悟していたけれど、今読むとしんどい作品が考えていたよりも多くて驚きます。技術的な部分の腐りならあんまり気にならないんだけど、小説としてあまりに問題があるのは、特集のためだろうか、そう信じたい。