竹宮ゆゆこ 『わたしたちの田村くん2』 電撃文庫

というわけで2巻の感想、の前に1巻の感想。 1巻の時の田村君は良かったと思うんだよね。だって中3から高1の人間ですよ。何かありゃうじうじ悩む、それで別にいいじゃない。うまく立ち回る中学生だってそりゃいるだろうけれどそんな奴には僕は何の感情も…

竹宮ゆゆこ 『わたしたちの田村くん』 電撃文庫

ほとんど投票したいがために入手、購入。こうそっけないとおもしろくなかったみたいだけれど、おもしろかったです。相馬さんがよかったです。 というわけで僕は相馬派でした、透かし網のカーディガンにやられました。あの容姿、性格で透かし網のカーディガン…

コリイ・ドクトロワ 川副智子訳 『マジック・キングダムで落ちぶれて』 ハヤカワ文庫SF

ある人にとって深刻な悩みは、他の人から見ると滑稽に移るものだ。その悩みが間違っているとなおさらだ。主人公のジュールズが取る行動というのは滑稽だ。真剣に間違ったことをしているからなおさらな印象を受ける。でも不快感はなかったなあと思う。それよ…

新・SFハンドブックを買った。海外短編部門のオールタイムベストの二位はトム・ゴドウィンの「冷たい方程式」だった。ショックです。

デイヴィッド・イーリイ 白須清美訳 『ヨットクラブ』 晶文社

読んだりネットで検索などしたりして、乙一、イーリイ、スタージョンは似ているということに気付いた。三人異色作家でくくられているけれども、ここは独断と偏見で「何なんだこれは。」派とくくることに決めました。ちゃんちゃん。それでは各編の感想に移り…

ロバート・J・ソウヤー『さよならダイノサウルス』 ハヤカワ文庫SF

まずトロエドンくんがかわいかった。片方だけで行うまばたきであるとか、真夏のアスファルトにはだしで立っているように片方の足だけを地面に交互につけて立っているのなんてラブリーじゃないでしょうか。多分おめめもパッチリしているんだと思いますよ、黄…

早川書房のホームページで確認したが、グレッグ・イーガンの長編『ディアスポラ』が九月下旬に出版されるみたいですね(石野休日さん、ありがとうございます)。「万物理論」を読んだときは、少し性急すぎたなあと今では思います。あんまりなにも考えずに一気…

新城カズマ 『サマー/タイム/トラベラー2』 ハヤカワ文庫JA

1巻の時はあまり楽しさを感じなかった。理由は何の関係もないように挿入されるただの衒学趣味としか思えない話。例えば、地域通貨の話であるとか。突然触れられたかと思うと、何事も無かったようにその話題から過ぎ去っていった。タイムトラベル小説を巡る…

ボルヘスやらカルヴィーノやらエリヤーデやらを読んでみましたが、ただ読んだだけに終わったような気がします。やっぱり感想はかけません。というわけではないのですが、7月に呼んだ本の感想。

あー長い期間開けてしまったなあ。 そもそもの発端は『くらやみの速さはどれくらい』の感想で悩み過ぎたのが原因なんだけれど。無理して書いてみよう。主人公のルウより早く生まれたせいで現代の自閉症と同程度の症状のまま暮らさざるをえない人間がいる。名…

ショートケーキを5つ食べた。

しあわせくるしい。

ジョージ・R・R・マーティン 『タフの方舟1 禍つ星』 ハヤカワ文庫SF

まず雑感から。 帯に書いてあるほどタフはそんなにあこぎという印象は受けなかった。ただタフは自分のロジックに忠実に従っているだけなわけで。ただただルールに純粋に従うだけじゃないかな、そこに感情の入りこむ余地がないから、場合によってあこぎに見え…

飛浩隆 『象られた力』 ハヤカワ文庫JA

目で読むというより、体で読む本だなあと思った。 文章はとても蟲惑的でとてもひきつけられる。そうなるともちろん視覚に比重を置いてしまうのだが、この本を堪能するにはそれだけではもったいない。十分に楽しむためには、五感すべてを研ぎすませる事が不可…

久々の日記。 人間だらだらしてたらますますだらだらしてしまう、というハツカネズミ状態(もちろん輪は大きくなっていく)な毎日でした。 原因はロマンシングサガ・ミンストレルソングをやっていたから、少しものがなし。この間に読んだ本は『世界の果てま…

イアン・ワトスン 『スローバード』 ハヤカワSF文庫

というわけでイアン・ワトスンの傑作短編集、『スローバード』。 序文にこんなことを書いています。 「アイデアやイメージを、ばかばかしさの論理的な執着点まで徹底的につきつめている。」 これは「大西洋横断大遠泳」という作品について語っているのですが…

イアン・ワトスン 『存在の書』 創元SF文庫

うん、なんか第3部は『宇宙消失』を思い起こしますなあ。 しかしゴッドマインドもワームもなんだったかよくわからん。 多分とはというのはあるけど自信無い。 円環構造の神話創造の話だったのかな。僕は『川の書』のようなサイエンスファンタジーよりも、難…

イアン・ワトスン 『星の書』 創元SF文庫

というわけで、黒き流れ3部作の2作目、『星の書』。 1作目の「川の書」が文字通り東西を分断する川の流れる、どこともわからない星を舞台にしていたけれど、今作では魂綱を通じてエーデンなんて聞いたような聞いたような星(というか地域)を舞台に中盤以…

昨日テレビで放送していた「マトリックス」を見た。 やっぱりキアヌ・リーブスの「くいっ、くいっ」という手の動きが最高。

イアン・ワトスン 『川の書』 創元SF文庫

本を読むということの一番の醍醐味は、現実の世界を忘れさせてくれることだと思う。剣と魔法のファンタジー、手に汗握るサスペンス、共感や後悔の感情を呼び覚ます恋愛小説、などそれぞれの個人にぴったりの形式を持っているはずだ。僕にとってのその形式は…

就職活動をしていて一番嫌なのは、その会社のアルバイトをしている人間と一緒に面接することだ。質問をする時に、こっちとしては良く分からない質問を平気でする。バイト中に聞いといたらいいんじゃないかなあと思ってしまう。とにかくぐったりとしてしまう。

コニー・ウィリス『航路』[上・下] ソニーマガジンズ

コニー・ウィリスの小説は解説にも書いてあるけど「もどかしさ」だと思う。『航路』『ドゥームズディブック』『犬は勘定にいれません』それぞれにもどかしさの要素をみつけることができる。『ドゥームズディブック』では近未来パートにおいての「なにかがお…

SFが読みたい!2005年度版を読む。国内の方はさっぱり読んでいない。「象られた力」は読まなきゃと思ってるので購入決定。で海外篇。ベスト20中、読んでいるのが8つ。1位から5位までと、ケリー・リンク、スタージョン、ベスターを読んでいた模様。…

ゆっくりとヴァーリィの『バービーはなぜ殺される』を読んでいる最中。デビュー作である「ピクニック・オン・二アサイド」がなかなか好い雰囲気だ。少し前に本の雑誌に青春小説の特集があったが、SF短編部門があったらランクインしてもおかしくないんじゃ…

グレッグ・イーガン『順列都市』[上・下] ハヤカワ文庫SF

まず、わからないなりに塵理論について考えてみる。 塵理論は、無数の代替世界の存在を意味していた。同じ原始アルファベット・スープで綴られた、異なる何十億ものありえた歴史。 という文章や、「分岐」、「合流」という言葉を見ると、おそらく平行世界の…

気になったこと

http://note3.nifty.com/cgi-bin/note.cgi?u=GZJ03116&n=16300 すごく気になったので考えてみる。 まず、「文学」を読めと言っているところが汚いなあと思う。 この人の根本の思想として、「私は社会にとって良い事をしている」という大義名分があるのだと思…

おおざっぱな、本日の活動 01:00 起床 〜02:00 読み残していたSFマガジン2004年2月号掲載の飛浩隆「ラキッドガールUnueaving the Humanbeing」を読む。 〜05:00 飛浩隆「グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ」を読む。 〜09:00 ドラ…

SFマガジンベスト①「冷たい方程式」ハヤカワ文庫SF

「接触汚染」キャサリン・マクレイン 異星でのバイオ・ホラーSF。物語の本筋は、異星の植民団が罹患した風土病「溶解病」の原因を探る、という事だ。けれども重要なテーマは容姿がアイデンティティに与える影響だ。真っ先に思い出したのはテッド・チャンの…

コニー・ウィリス「犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」早川書房

少し前に「ドゥ―ムズデイブック」を読もうと言った記憶があるが、先にこちらを読むことになった。おかげで僕は早く読まなければと堅く決意することになった。 突然だが、僕は本を読むのが遅い。それもかなりの域に達しているんじゃないかと疑ってしまう。そ…

山岸真編「90年代SF傑作選・下」ハヤカワSF文庫

「マックたち」テリー・ビッスン 重く、色々と言いたくなるような話を書いているけど、インタビュウの端々に見られるユ−モアが良い味を出していると思った。 「ホームズ、最後の事件再び」ロバート・J・ソウヤー ホームズは読んだ事無いんでよく分からなか…

2006年ドイツワールドカップアジア最終予選組み合わせ決定

北朝鮮への経済制裁発動開始は6月以降にずれ込ませて欲しい、と無責任に考えた。